Solution

「マネジメント」と
「商機の創出」でキャラクターが育つ

私たちができること

オリジナルコンテンツやキャラクターの企画、開発、販売、権利の管理を柱に誕生したトーキョー キャラクター メーカーズ(TCM)。同社の強みやソリューション、提供できる価値、特に「ビジネス機会の創出」と「コンテンツの総合マネジメント」について、代表取締役社長の奥野晴基氏に話を聞きました。

代表取締役社長 奥野 晴基

代表取締役社長 奥野 晴基

2000年から約21年間ウォルト・ディズニージャパン株式会社に勤務。コンシューマ・プロダクツ部門において、セールス&マーケティング、フード、インファント&ペット、ステーショナリー、雑貨、ファッションと複数のライセンシングで数多くのパートナーシップを構築しビジネス成長を牽引。2021年7月に同社アカウントマネジメント・マネージャーを退任。

コアなファンでもあるクリエイティブチームの持つ力

御社は、キャラクターやコンテンツを企画・開発するだけでなく、ライセンシングまで幅広く展開していくとのことですが、まず「御社ならではの強み」を挙げるとしたら何でしょうか。

キャラクター発掘から企画・開発、デザインまで一気通貫で手がけられることですね。このビジネスで欠かせないのはスピード感。例えばキャラクターに注目が集まったタイミングで、関連グッズ・イベントなどを打ち出せるのが強みです。

親会社のフクヤとGENDAの存在も大きいですね。

当社の親会社でありパートナーでもあるフクヤ、GENDAは、長年数多くのキャラクター・コンテンツを扱ってきました。確かにそのグループシナジーを活用できるのも、他にはない強みではあります。

ただ最も重要で「屋台骨」とも言えるのが、商品企画・デザインを担うクリエイティブチームです。

クリエイティブチームはどのような存在なのでしょうか。

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「優秀なつくり手であり、コアなファンでもある」といった感じでしょうか。休憩時間に集まって話題のアニメを見ている姿を目にすることもあります。20〜30代前半のチームメンバーは、プライベートではキャラクターとコンテンツを愛するいちファンなんです。他にもSNSでコミュニケーションをし、そこから派生したイベントなどにも積極的に参加しているようです。「ファンを育成する側」「ファンとして育成される側」という彼女たちの持つ「二つの視点」から生み出される、言語化できない感覚値が当社の持つ最大の価値です。

キャラクターの魅力を最大化する「SNS」と「ネットワーク」

最近は企業だけでなく、有名無名を問わずクリエイター個人からキャラクターが生み出されることも増えてきました。特にTwitterなどSNSの持つ力は大きいですね。

ただSNSを活用したキャラクタービジネスは歴史が浅いこともあり、確実なノウハウがないとも言えます。方法論の言語化が難しいなか、ここでも「優秀なつくり手」で「コアなファン」な彼女たちが力を発揮しています。

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特にフクヤは、SNSを活用したマーケティングとキャラクタービジネスの発展とともに歩んできました。Twitterを中心としたSNS発のトレンドからキャラクターを発掘し、Twitterなどでの発信でファン層を育成してきたとも言えます。

また商品化されたグッズを手にとってもらえるかは、キャラクターの完成度とは別の話です。私たちは、他社を大きく凌駕する開発実績のなかでその点に関しても知見を得てきました。

もう一つの親会社のGENDAは、傘下のグループ会社で「キャラクターコラボカフェ」や「キャラクターたい焼き」などの飲食物販事業を運営しています。キャラクター・コンテンツの世界観を食と空間を通して表現できるのは大きいですね。

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ファンとキャラクターが出会う大切な接点です。加えてアミューズメント施設、全国約200か所にある店舗と複合施設という「リアルな場」を持っています。ファンとつながる独自の場を有していることは、新たなビジネス機会の創出にも繋がります。

もちろん飲食だけでなく、例えばターゲットへの訴求力が高い雑貨マーケットをはじめ、当社とグループ会社のネットワークを通しさまざまな領域での展開が可能です。ファッション、服飾雑貨、ぬいぐるみ、玩具など複数のカテゴリーでトータルにコーディネートした商品企画・提案もできます。

法的なバックアップと専門的な知見で守る

クロスカテゴリー、セット販売もできるとなると、キャラクター・コンテンツの魅力が存分に発揮されるような「華やかな売場」もありえますね。一方でキャラクターやコンテンツを守り育てていくには、高度で専門的なノウハウも不可欠です。

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ご指摘の通りこの領域は、企画開発力や商品化力さえあれば成功するというわけではありません。特にキャラクターが育っていくほど、トータルマネジメントがものを言う場面は確実に増えていきます。私は当社社長就任前、約21年間ウォルト・ディズニージャパンにてライセンシング、パートナーシップ構築を手がけてきました。当社でその知見を活用し、新しいキャラクター・コンテンツを育てていく機会が持てれば嬉しいです。

もちろん、著作権管理・商標登録など法的な側面を担うサポート力も欠かせません。ただカワイイものを生み出すだけでなく、クリエイターや企業を守ることが必要です。

法的なソリューションは、一般的には対応が難しい分野ですね。

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当社は親会社も含めキャラクター・コンテンツに係る分野を専門とする弁護士、弁理士との協業関係も持ちます。強力なバックアップ体制で、キャラクター・コンテンツを守り、総合的なマネジメントを行っていきます。

他にもキャラクター・コンテンツの独自性を担保すること、他社が保有する権利を侵害していないか等IPクリアランスに関する専門的な知識も必須です。オリジナリティがあるかどうかをスクリーニングするソリューションに加え、キャラクターの独自性を確実なものとすべく、クリエイターのサポートもいたします。

グローバルに、長く愛されるキャラクターをともに

日本の「カワイイ」「サブカル」は海外でもますます注目が集まっています。例えば、御社では海外への展開も可能なのでしょうか。

日本国内の市場は、いわばキャラクターやコンテンツの情報発信源。まずは国内で実績を積む事が重要だと私たちは考えています。

もちろん海外展開となった場合、当社は強力なサポーターとなります。海外のアミューズメント施設に向けた、商品の企画開発や販売、一般マーケットへの販路に加え、北米・アジア圏を中心に現地法人・グループ会社などの拠点も活用していきます。ネットワークを使った、柔軟で幅広いサポートが可能です。

その際には、国内同様、マーケティング面でもお手伝いいたします。各国の事情に併せたキャラクターの表現や、SNSなどプラットフォームの使い方など、その国にあった手法をご提案いたします。ともに「カワイイ」「サブカルチャー」を発信していきたいですね。

御社となら大きなビジネスの機会を生み出せそうですね。長期的にTCMはどのような価値を提供していきたいとお考えでしょうか。

今のキャラクター・コンテンツに関するビジネスは、スピードが命。市場のニーズに併せた素早い展開が必要です。

一方で、キャラクターやコンテンツをゆっくり育てていくことが難しいという課題もあります。大切に守り育てていくこと。それが、私たちの長期的なチャレンジです。長い時間をかけ、末永く愛されるキャラクターやコンテンツを作りあげていきたいですね。

「ゼロからイチをつくる」クリエイティブチーム、そして生み出されたコンテンツ・キャラクターというシーズを「イチから100」にしてきた知見を掛け合わせること。これによりビジネス機会を創出し、新たな価値を提供していければ嬉しいです。